忍者クマデの選び方


 忍者クマデの選択ですが、注目してほしいポイントがあります。それは爪の巻き具合です。巻き方が弱いものは砂に爪を立てて掘り下げ引く時に、上から抑える余計な力が必要で、長時間掘っていて非常に疲れます。子供用に危険性を考えて角度を意識的に甘くしたと思われる製品もありますが、もし危険性を考えるのなら、むしろプラスチック製のものをお勧めします。


上のクマデの爪は内側に曲がり込み使いやすい

 爪の巻き方が違う2つの忍者クマデを上下で比べてみます。上が爪がしっかり砂に入るように巻かれたクマデ。下が巻き方が甘く、砂に爪を入れるには上から抑える余計な力がいるクマデです。

 一度でも潮干狩りをやった事がある人なら、角度の緩いクマデの不自由さはすぐに判ると思います。シーズンがある潮干狩りに比べると、一年中使われる園芸コーナーに並んでいる商品は、さすがに土を掘る事に対して良く考えられた角度の製品が多い様に思います。

 クマデを凶器として喧嘩をしている様な場面は、70年見たことがありません。潮干狩りは誰もが平和な気持ちになれる場所ですので、クマデを選ぶチャンスがあったら、必ず爪が柄に対して良く曲がりこんでいるものを選択されるようお勧めします。




柄の細いクマデは手が疲れやすい

 先端の鉄部分が同じなら柄の部分が細い方が、クマデ全体の重さとしては軽くはなりますが、実際に使うと太めの柄の方が手には軽く感じます。重心が手元に近くなるためで、釣り竿と同様、全体の重さよりも、手に持った時の持ち重りの感覚の方が重要です。長時間使うものですから、わずかの差でも疲労度が変わります。また長時間握るので、細い柄を握りしめ続けるのも指が疲れます。持った時にちょっと太目かな位の柄が、長時間使うには疲れないものです。柄は木製のものが、濡れた手との相性が良く使いやすいようです。

 高級なクマデに良くあるのですが、爪が細身で焼きが入った製品があります。爪も長めで少々の岩交じりの場所も、ものともせず掘り進めて行けそうですが、爪が左右に暴れる傾向があったら、それは使いづらいクマデです。このタイプのクマデはプロ仕様で、毎日長期間使用する前提で、爪が減ったら研いで使い続けるという事を前提に作られているクマデです。爪は細身で軽く強いので、爪が短くなってきたら、使いやすいクマデになりそうです。私は「これは研ぎながら一生使えるクマデだぞ」と言われて買い求めました。結果、爪が固くて全然減りません。ひ孫の代まで使えそうな固さです。毎日職業的に岩の混じった場所でアサリを採る人でなければ必要なさそうです。そんなクマデですから、加工が可能な人なら最初から少し切断して、研ぎなおしても良いでしょう。


このギザギザの振動がクマデに伝わる



クマデの先端はクマデの命

 クマデの先端はアサリの表面の溝と擦れてガリガリという振動を感知し、手に伝える大切な部分。先端は刺さるほど尖りすぎるのも危険ですが、ある程度尖っていないと、アサリの振動を腕に伝える事が難しくなります。事故防止を目的に先端を丸めてあるクマデもありますが、大人が使うのであれば、先端が適度に尖っているものを選んでください。

潮干狩り場にはそれぞれのきまりがある


 潮干狩り場ではそれぞれの事情で、来場者に対する様々な約束事が決められています。たとえば使用するクマデの大きさや形状、採って良いアサリの大きさや持ち帰り量の制限などです。潮干狩り場によってはクマデも網も持ち込みを禁止して、潮干狩り場備え付けのものを使う事しか、許可していない潮干狩り場もあります。余程奇想天外な器具でアサリを採っていたので注意したら、開き直ったような人物が、過去に居たのかなと想像してしまいますね。


野島公園の潮干狩りに関する立て札

 スポーツでもゲームでも、決め事のもとに楽しむものですから、そこが適当になってしまえば、ただの殴り合いになってしまいます。潮干狩りも決められたルールの中で楽しみましょう。心に引っ掛かりながら、こそこそアサリを採っても、監視員に注意を受けても、楽しいはずの潮干狩りは台無しになります。

 通常潮干狩り場では、小さなアサリの採取禁止、採取量の制限、使用器具の制限などのきまりが記されているボードが、目につくく場所に立てられている筈です。特に記載は無いけど、「これはギリギリかな?」と思うようなスレスレの器具を考えついたとしても、心に何か引っ掛かるような採り方は、楽しい潮干狩りに影をさします。

 クマデ一本で網に大きなアサリが沢山入っていたりすると、思わず「カッコいい」と思ってしまいます

潮干狩りソング第8弾 しじみの気持ち

https://youtu.be/idaSIEPqJ28

しじみにだってしじみの気持ちはあるのです。


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史上最強の潮干狩り超人