ブロンプトンがやってきた


Brompton ブロンプトン

折畳み自転車といえば、まずブロンプトンを思い浮かべるほど、究極の折畳み自転車として知られるブロンプトン。
今回エレベーターの無い4階に引越しをする事になった私は、折畳み自転車の良いものが無いかと探していた。駅に1分かからない商店街の中なので駐輪場の場所も無く、公営の大きな駐輪場はあるのだが、月に何回乗るか判らない自転車に毎月の駐輪代もバカらしい。そこで折畳み自転車を選択という訳なのだ。
そしてブロンプトンなら駅までそのまま転がしていけば電車にも一緒に乗れる。

というわけでYahooオークションで手に入れたブロンプトンが我が家にやってきた。

届いてみると非常に綺麗な状態の台湾製のブロンプトンで前オーナーはあまり乗っていないようだった。イギリス本国製のもののほうが圧倒的に評判は良いようだが、新品の値段があまりに上がってしまい駅で転がせるリア・キャリアも標準では付いていない。中古にもイギリス製には年代ものでも疑問に思うほど良い値段が付いてしまう。

イギリス製と台湾製を見分ける時、前面にフロント・キャリア・ブロックが装着出来るかどうかで区別するという話もあったが、この台湾製ブロンプトンには最初からフロント・キャリア・ブロックが付いていた。フロント・キャリア・ブロックは前方に専用カバンやキャリア・フレームを取り付けるための装置である。
Brompton ブロンプトン
普通はブロックの変わりにシールが張ってあるのだが、一部の台湾製には英国製と同じくネジ穴が付いていてフロント・キャリア・ブロックが付けられると聞いていたのがこれの事らしい。


Brompton ブロンプトン
あとはリア・キャリアシステムが最初から付いているのもポイントが高い。
駅などのホームで転がすのと手で持つのでは体力の消耗度が冗談ではなく天国と地獄ほどの差がある。

Brompton ブロンプトン Brompton ブロンプトン
そして小さなスタンドやリア三角フレーム固定の金具が何気なく付いているのもチョコチョコっと親切である。


Brompton ブロンプトン
溶接部分のラフさも台湾製の特徴らしく、アルバイトの溶接工の仕業かな?と、まあ可愛げがあるコブ付き仕上げであった。
英国製は接着部分にロウを流して接着面を広く取り堅牢に処理してあり、接着部の内部までロウが入っている。ロンドンの大男が乗っても大丈夫なようにそうとう余裕を持って作られているようだ。荷物と一緒で公称110Kg(130Kgと勘違いしていたが、さすがにそれはなかった)までは乗れるそうだが、台湾製は普通の溶接なので堅牢さという点ではかなり落ちるのだろう。ただ、アジア人には必要十分な強度だと思われる。

台湾製ブロンプトンは台湾のネオ・バイク社がかつてライセンス生産をしていたもので現在は生産されていない。品質のバラつきが大きいので本家ブロンプトンがライセンスを停止したという噂もあるが、ネオ・バイク社そのものが今はどうなっているのだろう。
ミズタニ自転車の社史によればBrompton台湾生産品の輸入を開始したのが1997年。イギリス製ブロンプトンの輸入総代理店となったのが2003年とある。2004年頃には台湾製在庫品が大手販売店や通販で大安売りされていたので台湾製は2004年あたりのものが最後のものなのだろう。